


狭小地を感じさせない大きな吹抜けのある家建築施工事例.003 広島市安佐南区
奥様のお母さまの家を建替え。夫婦、子供4人、おばあちゃんの7人家族。
建替え前の家も二世帯住居だったが、二つあるキッチンのうち一つは物置になっていたり、
家族7人が集まるには手狭だったりと大家族が住まうには物足りないことが多かった。
また住宅密集地の敷地は三方を住宅で囲まれているため2階はもとより1階もいつも暗かったことも建替えの決め手になった。
新居は大きな天窓のお陰でお天気の良くない日も屋根裏部屋から階段下まで光が落ちる明るい部屋に変身。
キッチンは一ヶ所にしたがⅡ型キッチンで回遊できるプランにして親子三代が行き交っても動きやすい。
ダイニングテーブルはキッチンと一体の造作で7人が一緒に食事を楽しむための空間づくりを担っている。
大家族のための工夫が詰まった明るく、動線の良い家に仲良し家族の笑い声が溢れる。
- [建築データ]
- 敷地面積:97.09㎡(29.37坪)
- 延床面積:94.95㎡(28.72坪)
- 家族構成:大人3人 子供4人
- C値:0.1/Ua値:0.43
「二世帯7人家族、ぶつからない動線に暮らす」

建築家/松浦 伸一郎
(MADo 一級建築士事務所)
【コンセプト】
三方を住宅で囲まれた住宅密集地にある30坪弱の敷地。西の道路面以外に直射日光を取り入れることは望めない。祖母から譲り受けた家に二世帯7人が暮らすが、老朽化や暑い・寒い・暗い環境を改善するために家族はリフォームでなく建替えを選択した。施主様の要望の中で建築家が的を絞ったのは「家族7人が一緒に集える空間づくり」と「 明るさ」。
まずは全員が集える場所と各個人の個室のための必要な面積取り。限られた枠に大家族の暮らしを組み込むため上に伸ばしたプランだが、コストを考慮して2階建て+ロフト子供部屋を提案。家族が一緒に過ごす場所は廊下がない回遊プランを提案。キッチンダイニングが中心で、お風呂・洗面・階の移動でも動線がぶつかることがない。2FのLDK・水廻り等、パブリックスペースを挟んで1Fとロフトにプライベートスペースを配置することで、7人のプライバシーにも配慮した。
明るさはリビング階段+吹き抜けと天窓で解消。縦長のプランに対し素直に光も上から下へ落とすプラン。密集地の視線を避けた天窓以外に大きな窓を設けずとも鉄骨階段を抜けて下まで陽射しが落ちるので結果、玄関・土間収納も明るい空間になった。壁面の窓に採光を頼らなくても良い分室内に大きな壁ができ、壁面収納も充実。1Fで就寝する際にも防犯面での安心感がある。密集地にある限られた光を最大限に使ったデザインは高性能住宅だからこそ叶えることができたプランである。