Kitchen
LDK全体が見渡せるキッチン。家事をしながらでも子供たちの様子が分かる。連続する窓からは階段越しに海と空の景色が広がる。パントリーはキッチンの一番奥に配置したので隠せる収納空間になった。
目の前に穏やかな瀬戸内の海と行き交う船が臨める場所。
ご夫婦がこの土地に決めた最大の理由である“海の眺望”を敷地や住宅に取り込むことで、日常的に海を感じられる空間を提案した。
海を感じられるようにすることは、住宅全体が明るく開放的な状態をつくること。
しかし一方では海風や台風など海が近いことによる懸念事項について解決することも必要な立地条件である。
内外の一体感を高め、住まいに居ながら自然を感じる心地よい場は周辺環境を十分に生かした建築家ならでは設計となった。
Kitchen
LDK全体が見渡せるキッチン。家事をしながらでも子供たちの様子が分かる。連続する窓からは階段越しに海と空の景色が広がる。パントリーはキッチンの一番奥に配置したので隠せる収納空間になった。
LDK
階段を昇り降りする時にも景色を眺めることができ、上下階の移動時間を楽しめる。LDKからも階段を使う様子が見えるので、1、2階で別々に過ごす家族の様子を把握できる。
Facade
建物の配置は道路から距離をとったので、子供たちが自由に遊びまわれる広い庭が。来客用の駐車場としても使用できる他、BBQなどお友達家族が集い楽しめる空間。家族所有の車は建物の裏へ駐車させるので、来客のない時には景色を妨げることがない。将来は勝手口と繋がるウッドデッキができる計画。
Living
ゆったりとソファでTVが観れるスペースとゴロンと横になれる畳スペースは階段をはさんで両サイドに配置。鉄骨手摺でお互いの気配を感じながらも、家族それぞれの気分によって寛ぎ方が選べ、おもいおもいの過ごし方ができる。
Built-in furniture
正面の造作家具は五月人形や子供たちが創った作品など季節を彩る物を飾る場所。サイズはお手持ちの物に合わせて制作。季節外れの物は家具の中に片付けられるので面倒だった出し入れも簡単にできる。暮らしを豊かに愉しめる空間となった。
Vanity unit
階段下は洗面台として利用。玄関近くにあるので帰宅時、来客にも使ってもらえる。生活感があるものは扉付きのニッチへ片付けスッキリと収納。
Entrance
玄関脇にある大容量の扉付き土間スペースは外で使う物の他にもストック品の仮置き場としても利用できる。二世帯家族が出入りする玄関をすっきり見せられる。
「 海がある家の暮らし」
「南東側に見える海にできるだけ面した計画をすることで、海の眺望を複層的に取り込むプラン。例えば庭と住宅内、1階と2階、LDKの手前と奥、LDKの端と端といったように、生活の中で海がいろいろな角度で見えるようにすることが目的。季節や時間帯によって表情を変える海のある景色を見逃すことがなく、大きな広がりが感じられ、日常における変化をつくりだす。海から吹く風への対処は広い庭をつくる=道路からの距離を確保することが解決させた。南東側に広いスペースができるように、北西側に駐車スペースを必要な広さで確保。ここに庭と駐車スペースをつくることが結果的に道路からの距離をとることにつながり、交通騒音の低減と、海から離れていることの安心にも配慮した。
景色を取り入れるためにLDKは2階に計画したが、もちろん1階も使える快適な場所にする。そのために建築家が特に気遣ったのが1階は個室が多くなるが廊下だけにならないように、明るく広がりのある空間になること。2階リビングの生活で心配される上下階の移動のデメリットは浴室、脱衣・ランドリー、FCL、洗面を階段に近接して計画することで、家事動線、生活動線を短かくして提案。すっきりとしたスムーズな動線を実現させた。また、将来的なライフスタイルの変化に対応が可能なように、子供部屋となる個室は間仕切りができるような計画。老後に1階での生活へシフトできるようにコンパクトではあるが、個室をLDKにできるプランも提案し多様な暮らしに対応できる設計。
海をより身近に感じられるようにLDK(=室内)と連続したルーフバルコニーを配置。将来的には庭(=外)にも室内から連続したデッキを設けることで、利用目的に合わせた使い方ができるように計画。ご友人と楽しむBBQや子供たちを自由に遊ばせる場所として楽しむための用途は広がる2階から見下ろす海、1階デッキから見渡す海、異なるレベルで海が感じられ暮らしの様々なシーンを豊かにする。」